太 刀 の 形
一 本 目
打太刀は諸手左上段、仕太刀は諸手右上段で、打太刀は左足、仕太刀は右足から、互いに進み、間合いに接したとき、
打太刀は機を見て右足を踏み出し、仕太刀の正面を打つ。
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上段のとりかた
左こぶしの位置は、ひたいの前上約ひと握りのところにとる。(ひたいの前方に位置させてはならない)
剣先は、約四十五度後ろ上方に向ける。
諸手左上段は、左自然体(左肩がやや前に出る)となり、剣先はやや右に寄る。
諸手右上段は、剣先を正中線上にとる。
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打太刀の打ちかたと目付
仕太刀のつかもろともへそまで切り下す気持ちで、諸手を十分に伸ばして大きく弧を画くようにして打ち込む。
剣先は下段より低目にとめる。後足を残さないようにする。上体はやや前傾する。
目付は打ち下ろしたら直ちに相手に顔を向けて注視する。
仕太刀は、左足から体を少し後ろに自然体でひくと同時に諸手も後ろにひいて打太刀の剣先を抜き、右足を踏み出し、打太刀の正面を打つ。
打太刀が剣
打太刀がさらに一歩ひくと同時に左足を踏み出しながら、諸手左上段に振りかぶり、残心を示す。
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仕太刀の抜きかたと打ちかた
剣先が下がらないよう(おおむね上段の程度とする)にして諸手を後ろ上方に約ひと握り抜く。
左足から(右足もともなう)少し引いて打太刀の剣を抜き、右足を踏み出し(左足もともなう)て打太刀の正面を打つ。
打つときは右腕を肩の高さにし、諸手を十分に伸ばして物打ちで打つ。
(四本目、五本目も同じ)
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打太刀のひきかたと仕太刀の残心の示しかた
打太刀は、やや前がかりの姿勢のまま送り足で一歩ひく。仕太刀は、十分な気位で打太刀を圧しながら、剣先を顔の中心(両眼の間)につける。打太刀は、そのままさらに一歩ひく。仕太刀は、直ちに左足を進めて顔の中心を突き刺すような気勢で剣先を利かし、
諸手を左上段に振りかぶり、残心を示す。
打太刀がひく歩幅は、仕太刀との間合いによる。
打太刀が剣先を下段から中段につけ始めるので、仕太刀も同時に左足を非いて諸手左上段を下ろし、
相中段となり、剣先を下げて元の位置(立ち
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相中段のなりかた
打太刀は、仕太刀が十分な気位で残心を示したのを見とどけた後、上体を起こしながら中段になるので、仕太刀も左足をひいて相中段になる。