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(たち)     (あい)   (昭和六十年三月改訂)

 

一 立会前後の作法

  立会の前後には、刀(木刀)を右手に提げ、下座で役三歩の距離で向かい合って正座し、刀を右脇に刃部を内側に、
鍔を膝頭の線にそろえて置き、互いに礼をする。

 

  仕太刀が太刀と小太刀を併せて持つときの持ちかた

太刀を外側、小太刀を内側とし、太刀はなか指、くすり指、こ指で、小太刀はおや指、ひとさし指で握り持つ。

 

  座礼の位置

下座の位置は、特に限定しないが、中央が望ましい。

打太刀、仕太刀の位置については、必ずしも打太刀を上座(かみざ)に向かって、右側にしなくてもよい。

 

  座りかた

左足を半歩ていどひき、左ひざ、右ひざの順について座る。(はかまさばきはしない)

 

  仕太刀の刀の置きかた

太刀は外側、小太刀を内側とし、両刀の鍔を膝頭の線にそろえて置く。(左手も用いる)

  座礼の手のつきかた

両手を同時について礼をする。

 

次に、刀を右手に刃部を上に柄を前に切先(きっさき)を後ろさがりにして提げ、立会の間合いに進む。立会の間合いはおよそ九歩とする。

 

  天覧、台覧の場合

最初、刃部を下にして、柄を後ろにして、切先を前さがりにして、右手で栗形(くりがた)のところを握って提げる。

 

  仕太刀が立会の間合へ進む途中での小太刀の置きかた

仕太刀の立会の位置から右(左)後ろ約五歩のところに置く。

上座に対して反対側の片ひざをついて置く。

刃部を内側にし、演武者と平行に置く。(左手も用いる)

 

  打太刀の立会の間合への進みかた

座礼の位置から真直ぐに、立会の間合に至る。

 

 

二 打太刀、仕太刀、刀を提げ、立礼をして始める。

  立会の間合に進んだのち、まず上座に向かって礼をし、次に、互いの礼をしてから、刀を左腰に差し、左手を鍔元に添えて親指を鍔にかけ。
木刀のときは、左手に持ちかえると同時に、親指を鍔にかけて腰にとる。

 

  太刀の帯びかた

左手でこじりを持ち、左帯に送って、親指で帯の部を押し開き、刀を帯びる(小太刀も同じ)

木刀の場合は、体のおおむね中央で左手に持ちかえる。持ちかえるときの両腕の高さは、右前腕がおおむね床と水平の高さとなるようにする。

差し終わったとき、つばが正中線上となるようにする。木刀の場合は、柄頭が正中線上となるようにする。

 

  上座への礼

上体を約三十度、前に傾けて行う。

 

  互いの礼

上体を約十五度、前に傾けて相手に注目したまま行う。

 

  親指を鍔にかける要領

鯉口を切ることと、刀を相手から抜かれないようにする心持で親指の指紋部のところで鍔の上を軽く押さえる。

 

次に、互いに右足から大きく三歩踏み出して、そんきょしながら刀を抜き合わせる。そんきょはやや右足を前に出して右自然体となる程度とし、立ち上がって中段の構えとなり、剣先を下げ、互いに左足から小さく五歩ひき、いったん中段の構えとなり、次の形の構えになる。

 

  足さばきのしかた

打太刀、仕太刀ともすり足で行う。

  そんきょのときの足の位置

左足先を右足の全長の1/2ほどのところに位置させてそんきょする。

 

  刀の抜きかた

いきなり抜くのではなく、両手でさやごと少し引き出しておいてから抜く。

抜くときは、相手に抜きつけるような気持ちで大きく抜く。

立ち上がって中段となるときの足の位置

そんきょの足の位置のまま立ち上がる。ただし、間合いを調整するなどの場合は移動させてもよい。

 

  剣先の下げかた

剣先を下げるときは、構えを解くことである。

構えを解くには、自然に(中段から右斜め下へ最短距離を経て構えを解いた位置へ移行させるのであって、いったん真下へ下げてから横に開くのではない)右斜め下へ下げる。下げたときの剣先は、相手の体からわずかにはずれるぐらいにひらき、
高さは相手の左膝頭から三ないし六センチメートル下方とし、刃先は左斜め下に向ける。

解いたとき、左手が浮かないように手の内を少しゆるめる。

 

  小太刀の場合

構えかた、解きかた等については、小太刀の形の部で説明する。


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